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大根とは・・・
ヨーロッパの地中海沿岸地方が原産地といわれています。西アジアから中国、朝鮮半島を経て、日本に渡来したといわれています。古くは「おおね」とよんでいたそうです。春の七草の一つ「すずしろ」としても親しまれてきました。
数多くの品種があり、各地によって形状も異なります。例えば、鹿児島の桜島ダイコンはカブのような丸い形をしており、名古屋でよく漬物にされる守口ダイコンは世界最長のダイコンといわれ、長さは120cmにもなります。
一般的に食材として出回っているのは青首ダイコンで、広く各地に栽培されている二年草です。根生葉は、束生になり、長さ約30cmで、粗い毛があります。葉は倒披針形で、上のほうが広く、羽状に深く裂け、多数の裂片をつけます。多汁質、春に高さ1mぐらいの地上茎を出し、上部は分枝、枝先に淡紫色か白色の十字花を多数つけます。花弁は広倒卵形のくさび形で基部は長柄です。長角果で長さ4〜6cm。原種はハツカダイコンです。
成分と薬効
実も葉っぱもビタミンたっぷりの重宝野菜
【根】
ビタミンCを多く含んでいます。ビタミンCは、抗酸化作用・抗菌作用があり、風邪の予防疲労回復、肌荒れの解消に効果的です。
ダイコンに含まれる成分でもっとも有名なのが、根に含まれる消化酵素ジアスターゼ(アミラーゼ)です。ジアスターゼはでんぷんを分解する酵素で、消化吸収を助け、胸やけや胃もたれを防ぎます。
また、酵素のオキシターゼが解毒作用に優れ、がん予防にも有効な成分であることがわかっています。特に、焼魚の焦げ目などに含まれるトリプP1などの発ガン性物質を無毒化するといわれています。
酵素は熱によって破壊されてしまうので、サラダなどで生でとるほうが効果的です。大根おろしにすると、20分後には80%に減ってしまいます。また、セルロースやペクチンなどの食物繊維も豊富です。そのため、便秘改善にも優れた効果が期待できます。リグニンと呼ばれる食物繊維はがん細胞の発生を抑制することもわかっています。
ダイコンおろしが辛いのはシニグリンという物質がミロシナーゼとよばれる酵素によって加水分解され、辛味の油アリルイソチアネート(からし油)になるからです。野菜ではダイコンだけに含まれ、ガンの抑制に有効なことがわかっています。アルコール抽出液は、グラム陽生菌(球菌、胞子形成桿金、コリネフォルム細菌、ストレプトマイセス菌など)や真菌に対する抗菌作用があります。この辛味成分はしっぽの部分に多く含まれ、細胞の破壊が細かいほど辛くなります。根には糖分を約3%含み、主な成分はぶどう糖、しょ糖及び果糖です。また各種の有機酸(クマール酸、カフェー酸、フェルラ酸、フェニルピルビン酸、ゲンチジン酸、ヒドロキシ安息香酸)を含みます。その他各種アミノ酸を多量に含んでいます。
薬用では、消化促進作用があり、肺を潤し、痰を除き、咳をとめ熱を下げるとされ、風邪、咳、声がれに良いとされます。生のダイコンは体を冷やして熱を下げますが、熱を加えると体を温める作用があります。成分のラファニンは食中毒を引き起こす菌が含まれるブドウ球菌の繁殖を著しく抑えます。また、水浸液(1対3)は真菌の発育を抑制します。
【葉】
ダイコンの葉はカルシウム、カロテン、ビタミンC、食物繊維を含み、小松菜やほうれん草に匹敵する緑黄色野菜です。これらビタミンやミネラルは、がんや心疾患などの生活習慣病を予防し、体の機能を維持し働きを調節して骨粗しょう症などの予防が期待できます。
特に根の部分には含まれていないカロテンは、皮膚や内臓の粘膜を強化し、ウィルスへの抵抗力を高めるはたらきがあり、胃腸を強くし、がんや骨粗しょう症、便秘の改善に有効です。購入する際には葉付きのダイコンを選び、必ず利用したい食品です。
また、ビタミンCとともに多く含まれるビタミンPは、毛細血管を柔軟に保ち、皮膚に栄養を運んで潤いを与えるとともに、ビタミンCの吸収を助けるはたらきがあります。肌荒れを体の中から改善し、美しく保ちます。
薬用では、下痢、乳腫、乳汁分泌障害、痰、咳、のどの痛みに用いられます。
干した歯を布袋に入れて口を縛り、風呂に入れると、体を温め、神経痛や冷え性などにも効果があるといわれています。
【切干ダイコン】
ダイコンの根を細切りにして天日干しした保存食です。干すことによって旨味と風味が増し、ビタミンC以外は栄養価も増します。また、生のダイコンは体を冷やすので、冷え性の人には向きません。このような場合は切干ダイコンを使った煮物や料理にすると、胃腸を温め、消化・吸収能力が高まります。
カリウム、カルシウム、ビタミンB群が、高血圧、骨粗しょう症を予防し、疲労回復にはたらき、たっぷりの食物繊維が便秘改善にはたらきます。
【カイワレダイコン】
ダイコンの若い双葉です。鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラルや、C、E、Kなどのビタミンがバランスよく、しかも体内に吸収されやすいかたちで含まれています。ビタミンEは、過酸化脂質の生成を抑制し、動脈硬化などの生活習慣病を予防します。
【葉ダイコン】
水栽培されたものが多く出回っています。ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれているのが特徴で、とくに鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、EKなどが豊富に含まれています。ビタミンKは、カルシウムの代謝を活発にし、骨粗しょう症の予防や改善に有効です。
性・味
生は涼性で甘辛い。煮たものは温性で甘辛く、無毒。
(北日本新聞社 薬になって役立つ野菜 参照)
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